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『破墓/パミョ』はどこで見れる?韓国で1200万人が観た理由

Photo by lance he 韓国映画

結論から書きます。『破墓/パミョ』を見放題で見られるのは Amazon Prime Video と DMM TV の 2 つです。FOD はレンタル(1,320 円)、Netflix では配信されていません。

ただ、この記事で本当にお伝えしたいのはそこではありません。この映画は、予備知識があるかないかで見え方がまるっきり変わります。劇中に説明台詞がほとんどないからです。

作品プロフィール

韓国での話題度⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️累計 1,156 万人・歴代 18 位
予備知識の必要度⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️巫俗・風水の用語に説明台詞がない
怖さ・重さ⭐️⭐️⭐️⭐️驚かせる演出より、じわじわ来る不気味さ
日本での見やすさ⭐️⭐️⭐️⭐️見放題 2 社・無料体験あり
テンポの良さ⭐️⭐️⭐️前半は一気に引き込まれるが、後半は評価が割れる
恋愛比重⭐️恋愛描写はほぼない
話題度 恋愛 怖さ テンポ 予備知識

配信情報(日本国内)

Amazon Prime Video見放題/月額 600 円(税込)〜・無料体験 30 日間
DMM TV見放題/月額 550 円(税込)〜・無料体験 14 日間
FODレンタル 1,320 円/無料体験なし
Netflix配信なし
上映時間134 分
日本公開2024 年 10 月 18 日
情報取得日2026 年 8 月 3 日

あらすじ・見どころ

アメリカに住む裕福な韓国系の一族から、巫堂(ムーダン=朝鮮半島のシャーマン)のファリムに依頼が入ります。跡継ぎの男子が代々、原因不明の病に倒れるというのです。原因は先祖の墓にあると判明し、風水師のサンドクと葬儀師のヨングンも加わって、お祓いと改葬を同時に進めることになります。ところが墓を掘り返した瞬間から、説明のつかない出来事が起こりはじめます。

風水師サンドクを演じるのは『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシク。巫堂ファリムはドラマ『トッケビ』のキム・ゴウン、葬儀師ヨングンは『コンフィデンシャル』シリーズのユ・ヘジン、若い巫堂ボンギルは『ザ・グローリー』のイ・ドヒョンです。監督・脚本のチャン・ジェヒョンは、カトリックの悪魔祓いを描いた『プリースト 悪魔を葬る者』、仏教系の新興宗教を扱った『サバハ』と、宗教を題材にした作品を撮り続けてきた人です。

日本語版では、劇中に登場する“あるもの”の声に日本の声優が起用されています。この点は日本の視聴者から評価が高い部分です。

韓国での成績

ここからが、日本語の記事にあまり出てこない部分です。

  • 韓国公開は 2024 年 2 月 22 日。累計観客動員は 1,156 万人(映画振興委員会・統合電算網)
  • 2024 年 4 月 13 日に『新感染 ファイナル・エクスプレス』(1,156.7 万人)を抜き、歴代興行 18 位に浮上。その差はわずか 1,494 人でした
  • 1 日あたりの最高動員は 85 万 1,600 人。2024 年の全作品で最多です
  • 公開 8 週目に入っても 1 日 2 万人以上を維持しました
  • ホラー・オカルト作品としては異例で、それまで同ジャンル 1 位だった『哭声/コクソン』(688 万人)を大きく更新しています
  • 韓国で 32 番目の「1000 万人動員」作品となりました

受賞歴

第 60 回百想芸術大賞(白想芸術大賞)で 4 部門を受賞しました。韓国では青龍映画賞と並ぶ規模の賞で、批評家の評価よりその年に大衆の関心を集めた作品を重く見る性格があります。第 74 回ベルリン国際映画祭にも正式出品されました。

映画専門誌『シネ 21』の評論家からも高い評価を受けており、5 点満点で 4 点をつけた評者もいます。

よくある疑問

日本の視聴者から実際に多く出ている疑問に、韓国語の資料をもとに答えます。

Q. 巫堂・巫俗・明堂……用語がわからないまま進むのですが

説明台詞がほとんどないので、知らないまま見ると置いていかれます。最低限、次の 4 つを頭に入れておくと理解度がかなり変わります。

  • 巫堂(ムーダン)=神霊を降ろして儀式を行う人。日本の巫女とは役割が異なり、除霊や占いも担う
  • 巫俗(ムソク)=巫堂を中心とした朝鮮半島の民間信仰。特定の教団を持たない
  • 風水師・地官(チグァン)=土地の気の流れを読み、墓所を選ぶ専門職
  • 明堂(ミョンダン)=風水的に良いとされる土地。特に墓所として理想的な場所を指す
  • 破墓(パミョ)=改葬や火葬のために、既にある墓を掘り返すこと

作業前に「パミョ〜!」「パグァン(破棺)〜!」と声を上げる場面があります。これは墓の中の故人が作業音に驚かないように、という意味で実際に行われるものです。

Q. こういう風習は、韓国で本当に今も残っているのですか

残っています。監督のチャン・ジェヒョンは、幼い頃に実際に一族の改葬に立ち会った経験があり、その体験が映画を作るきっかけになったと語っています。冒頭で風水師と葬儀師がある家族の墓を改葬する場面は、監督自身の体験がもとになっているそうです。制作にあたっては葬儀屋や風水師に 1 年にわたって取材し、自ら改葬作業にも参加したといいます。劇中で巫俗の監修にあたったのは、実際に活動している巫堂です。

Q. これは反日映画なのでしょうか

この点は、韓国での受け止め方をそのままお伝えします。

まず事実として、作品には日本統治期を意識した仕掛けが複数あります。登場人物の名前の多くは独立運動家から取られており、劇中の車のナンバープレートには 0301(三・一運動)、1945(解放)、0815(光復節)といった数字が使われています。一方で、依頼主側の一族の名前は、日本統治への協力者として韓国史で名前の残る人物から取られています。監督自身は、この作品を「前半はオカルト、後半は抗日」と評されることについて、自分は最初から 2 つを同じ流れの中にあるものとして考えていたと述べています。

ただし、韓国国内の反応が一枚岩だったわけではありません。別の映画の監督がこの作品を批判的に評したことが報じられ、賛否が公の場で交わされました。作品の背景にある「鉄杭伝説」についても、後述のとおり韓国国内で見解が分かれています。

当サイトはどちらの立場も取りません。韓国でこう受け止められた、という事実をお伝えするところまでにとどめます。

Q. 「鉄杭」の話は史実なのですか

ここが日本語の情報でいちばん抜け落ちる部分です。韓国国内でも見解が分かれています。

「日本統治期に、朝鮮の名山の気脈を断つ目的で鉄の杭が打ち込まれた」という話は、韓国では広く知られています。実際に山中から鉄杭が見つかった例もあり、1990 年代にはこれを抜き取る運動も行われました。

一方で、これに否定的な見方も韓国国内にあります。総督府が全国規模でそうした事業を計画したなら予算措置と記録が残るはずだが、それが確認できない。見つかっている鉄杭は土地調査事業の測量用、あるいは地図作成のためのものではないか、という指摘です。映画公開後にも、娯楽としては優れているが史実の扱いには疑問が残る、という趣旨の批評が出ています。

劇中でも、葬儀師のヨングンと風水師のサンドクがこの説をめぐって言い合う場面があります。作品自体が、この話を全員が信じているものとしては描いていないのです。

日本から見るときの補足

この映画がとっつきにくく感じるとしたら、それは「宗教観が違いすぎるから」ではなく、むしろ近いのに少しずれているからかもしれません。

先祖を大切に祀る、土地に力があると考える、墓の場所にこだわる。ここまでは日本にもある感覚です。ところが韓国では、それが専門職として成立し、家の盛衰と直結するものとして扱われる。風水師が土地を見て、巫堂が儀式を行い、葬儀師が改葬を仕切る。この分業が現在も職業として機能しています。

字幕は台詞を訳してくれますが、この前提までは訳してくれません。上の用語だけでも押さえてから見ると、同じ場面がまったく違って見えるはずです。

運営者コメント

最初は「腕のいい巫堂と風水師が組んだ、金目当ての詐欺の話だろう」くらいに思って見ていました。ところが進むにつれて、どうもそうではないらしいと分かってくる。そこから一気に引き込まれました。

キム・ゴウンについては、正直なところ最初は誰だか分かりませんでした。『トッケビ』のかわいらしい印象がまったく残っていない、カリスマのある巫堂として出てきます。ユ・ヘジンとチェ・ミンシクの掛け合いも見応えがありました。

鉄杭の展開には驚きました。史実かどうかという話は別にして、韓国の地図は虎の形にたとえられることがあり、その背骨に杭を打って気を止めるという発想そのものが新鮮だったのです。

韓国に行ったとき、80 代の義母から「パミョは見たの?」と聞かれました。その世代まで話題になっていたということです。今も Amazon プライムの見放題に出ていると、流しっぱなしにして別のことをしながら音だけ聞いていたりします。よくできた映画は、何度見ても飽きないものだと思います。

視聴方法・料金

見放題で見られるのは Amazon Prime Video(月額 600 円〜・無料体験 30 日間)と DMM TV(月額 550 円〜・無料体験 14 日間)です。どちらも無料体験の期間内であれば追加の料金はかかりません。

チャン・ジェヒョン監督の他作品もあわせて見たい場合は、配信状況が変わることがあるため各サービスの公式サイトでご確認ください。

まとめ

  • 日本では Amazon Prime Video と DMM TV が見放題。FOD はレンタル、Netflix は配信なし
  • 韓国では累計 1,156 万人、歴代 18 位。ホラー・オカルトとしては異例の数字
  • 巫堂・巫俗・明堂・破墓の 4 語を先に知っておくだけで理解度が大きく変わる
  • 作品の背景にある鉄杭伝説は、韓国国内でも見解が分かれている

※配信状況は 2026 年 8 月時点のものです。最新の状況は各サービスの公式サイトでご確認ください。

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